タダより高いものはない、制度の現実
行政は幅広い分野で、社会的目標の達成のために助成金や補助金等の資金支援制度を整備しています。
しかしながら、無償でこれらを支給するのではなく、多くの場合において必ず支給のための対価が求められます。
事業者自らが進んでその方向に進んでいくように、行政がくべる焚き付けといえるでしょう。
助成金等の申請において最も気を付けるべきことは、目的の助成金のために何をしなければならないのか、即ち助成金を得る代わりに何を失うのかという事です。
そして、大半の助成金の存在意義から考えて、失うものの方が多いという事をご理解ください。
例えば弱い立場にある事業者を救済するための助成金などは例外といえますが、多くの助成金は行政が達成したい社会的目標の焚き付けとして存在するものである以上、事業者は一時の金銭が得られることの引き換えに、長期的により多くの負担が生じることになる場合がほとんどです。
助成金等を申請することが最適なケースとは
支給要件を労せずして達成可能な場合、
仮に助成金等がなかったとしても支給要件の示す内容と同じことをするつもりであった場合
これらは、申請に最適なケースといえるでしょう。
利益相反・・・助成金業者に勧められた場合の最大の注意点
申請業務と相談業務を同一の業者が行う場合。
助成金申請業務と、助成金についてのアドバイス業務は利益相反の関係になる恐れがあります。
助成金についてのアドバイスをする立場にあるならば、メリットとデメリットを説明したうえで、申請を行うべきかどうかについて中立な立場で助言することが求められます。
助成金等の申請業務を行う者が、同時にアドバイスをする者である場合、どのようなリスクが生じるでしょうか。
助成金等の申請料は無料とし、成功報酬だけを代行業者に支払うモデルにおいて、代行業者には申請を行おうとする経済的誘因が発生します。
依頼者にとっても申請料そのものが無料という点がきっかけとなり、直接的な支出なくして助成金等が手に入ることになります。このモデルそのものが問題というわけではありません。
気軽に利用できるモデルであるからこそ、デメリットについて適切な説明がされているのか、依頼者様の利益を最優先に行動できるのか、という懸念は常に生じます。得られた助成金の額に比べて負う対価があまりにも大きかった場合、その不利益を被るのは依頼者様であり、助成金業者ではありません。
助成金や補助金の受給は一時の申請で終わるものではなく、事前準備、行政が課す条件の厳守、受給後の継続的な報告など、年単位の対応が必要となることも多く、怠った場合や、目標が未達だった場合には返還義務が生じることがあります。依頼を受けて業務を請け負う立場にある者は、すべての段階における長期的な支援を依頼者様に約束できることが不可欠です。
成功報酬のみを得て、依頼者の長期的な負担について責任を負わない立場の代行業者が職業上のモラルを保つことができるだろうかという点が課題です。
コロナ渦における雇用調整助成金の不正受給問題は、依頼者を守るというモラルが欠如した助成金業者が社会問題なった典型的な失敗例といえます。
不正受給が違法であることは当然ですが、何よりも助成金業者が依頼者を守るのではなく、利益相反行為に向かったという点においての失敗例でもあるのです。
デメリットを正しくお伝えするために
一例として、労働者を雇用する事業主に支給される助成金の場合、労働者を現状よりも優位に扱う仕組みを設けたことが支給条件となるものが数多くあります。
行政は労働者の雇用環境改善の社会的目標のために、助成金を用意することで事業者に自主的な改善を促そうという趣旨によるものですが、これは事業主が従業員に対して新たな義務、債務を負うことを意味しています。
なかんずく、助成金は何円という具体的な金額で明記されることに対して、社内の待遇を改善したことによって生じる長期的なコストは算出がしにくいものです。
助成金に携わる立場にある者であれば、算出しにくいコストについて、事業者にかわって算出し、コストに対して見合わないものであれば助成金を勧めないといった対応をすることが求められます。
「まわりの同業者は受給したらしく、自分も受給しなければ乗り遅れてしまうのではないか」と焦っている方も多いかもしれません。
助成金や補助金等には期限があり、総枠が定められているものがあることも事実ですが、慌てて受給しなければ事業の命運を左右するほどのものは(残念ながら)ほとんどありません。
一方、支援を要する事業者向けに「保護」や「純粋な支援」を目的として行政が支給する無償性の高い助成金や補助金は、事業の運営と不可分一体の存在として、もはや助成金等業務の領域ではなく、通常の申請代行業務に属するものとして対応すべき案件といえます。
月山事務所の助成金・補助金業務
私たちは依頼者様の事業の運営についての幅広いお悩みを解決する「相談顧問」の立場であることに重きを置いております。
助成金や補助金等の申請業務も行っておりますが、申請代行をするのみではなく、助成金等に関するご相談についてアイデアを出し、共に考え、共に最適な方法を見つける総合的な「相談顧問」として責任あるサービスを担いたいと考えております。
助成金・補助金の受給を目指すにあたっては、その対象となる事業者の要件として、一般事業主行動計画の公表や、「えるぼし」「くるみん」の取得、事業継続力強化計画、健康経営優良法人などの認定が義務付けられることや、強く推奨されることがあります。
また、受給終了後も事業場の就業規則の提出や、待遇を改善したことを証明するために継続的な賃金台帳の提出が求められることがあります。
当事務所は社労士事務所・行政書士事務所として、このような助成金・補助金の申請に付随する多くの手続きや準備について広範にサポートすることが可能です。
申請業務は、依頼者様が助成金のメリット、デメリットを完全に納得し、助成金等の申請をご希望の場合に行うものとします。
助成金等の受給に至らなかった場合でも料金をいただく代わりに、支給された助成金等について成功報酬などの料金が発生することはございません。
相談業務と申請業務の双方を担う立場であるからこそ、このような関与の方法が依頼者様の利益を実現するうえで最適な形であると考えております。
助成金・補助金政策から身を守るために
恩恵として用意されているはずの公的支援制度が、時として恩恵を受けることができる者とできない者の格差を生み、功を急いで不利益を被る事態をもたらし、最悪の場合、自由競争を阻害する災いにもなります。
粗製乱造される助成金・補助金などない方がはるかに社会のためになるだろうと、制度に不満を感じている方も多いかもしれません。
昨今の八方ふさがりの社会的課題について向けられる世論の目は立法府よりも行政府により強く向けられる傾向があり、必然的に行政に対して各種施策を無暗に強いる結果をもたらしています。そしてこの潮流は今後も変わることはないでしょう。
私たちに必要なことは、薬にも毒にもなる公的支援制度からいかにして「身を守る」かにあります。
受給すべき時は確実に受給することで身を守り、受給すべきではない時は距離を置くことで身を守り、行政の過剰な介入によって市場が機能を失わんとするときは手を引くことで身を守る。もはや助成金・補助金に限られませんが、巨人たる存在である行政の施策が私たちに牙をむく危険性に常に備え、行政の風を読むべき必要性が(残念ながら)求められる時代です。
しかしながら、無償でこれらを支給するのではなく、多くの場合において必ず支給のための対価が求められます。
事業者自らが進んでその方向に進んでいくように、行政がくべる焚き付けといえるでしょう。
助成金等の申請において最も気を付けるべきことは、目的の助成金のために何をしなければならないのか、即ち助成金を得る代わりに何を失うのかという事です。
そして、大半の助成金の存在意義から考えて、失うものの方が多いという事をご理解ください。
例えば弱い立場にある事業者を救済するための助成金などは例外といえますが、多くの助成金は行政が達成したい社会的目標の焚き付けとして存在するものである以上、事業者は一時の金銭が得られることの引き換えに、長期的により多くの負担が生じることになる場合がほとんどです。
助成金等を申請することが最適なケースとは
支給要件を労せずして達成可能な場合、
仮に助成金等がなかったとしても支給要件の示す内容と同じことをするつもりであった場合
これらは、申請に最適なケースといえるでしょう。
利益相反・・・助成金業者に勧められた場合の最大の注意点
申請業務と相談業務を同一の業者が行う場合。
助成金申請業務と、助成金についてのアドバイス業務は利益相反の関係になる恐れがあります。
助成金についてのアドバイスをする立場にあるならば、メリットとデメリットを説明したうえで、申請を行うべきかどうかについて中立な立場で助言することが求められます。
助成金等の申請業務を行う者が、同時にアドバイスをする者である場合、どのようなリスクが生じるでしょうか。
助成金等の申請料は無料とし、成功報酬だけを代行業者に支払うモデルにおいて、代行業者には申請を行おうとする経済的誘因が発生します。
依頼者にとっても申請料そのものが無料という点がきっかけとなり、直接的な支出なくして助成金等が手に入ることになります。このモデルそのものが問題というわけではありません。
気軽に利用できるモデルであるからこそ、デメリットについて適切な説明がされているのか、依頼者様の利益を最優先に行動できるのか、という懸念は常に生じます。得られた助成金の額に比べて負う対価があまりにも大きかった場合、その不利益を被るのは依頼者様であり、助成金業者ではありません。
助成金や補助金の受給は一時の申請で終わるものではなく、事前準備、行政が課す条件の厳守、受給後の継続的な報告など、年単位の対応が必要となることも多く、怠った場合や、目標が未達だった場合には返還義務が生じることがあります。依頼を受けて業務を請け負う立場にある者は、すべての段階における長期的な支援を依頼者様に約束できることが不可欠です。
成功報酬のみを得て、依頼者の長期的な負担について責任を負わない立場の代行業者が職業上のモラルを保つことができるだろうかという点が課題です。
コロナ渦における雇用調整助成金の不正受給問題は、依頼者を守るというモラルが欠如した助成金業者が社会問題なった典型的な失敗例といえます。
不正受給が違法であることは当然ですが、何よりも助成金業者が依頼者を守るのではなく、利益相反行為に向かったという点においての失敗例でもあるのです。
デメリットを正しくお伝えするために
一例として、労働者を雇用する事業主に支給される助成金の場合、労働者を現状よりも優位に扱う仕組みを設けたことが支給条件となるものが数多くあります。
行政は労働者の雇用環境改善の社会的目標のために、助成金を用意することで事業者に自主的な改善を促そうという趣旨によるものですが、これは事業主が従業員に対して新たな義務、債務を負うことを意味しています。
なかんずく、助成金は何円という具体的な金額で明記されることに対して、社内の待遇を改善したことによって生じる長期的なコストは算出がしにくいものです。
助成金に携わる立場にある者であれば、算出しにくいコストについて、事業者にかわって算出し、コストに対して見合わないものであれば助成金を勧めないといった対応をすることが求められます。
「まわりの同業者は受給したらしく、自分も受給しなければ乗り遅れてしまうのではないか」と焦っている方も多いかもしれません。
助成金や補助金等には期限があり、総枠が定められているものがあることも事実ですが、慌てて受給しなければ事業の命運を左右するほどのものは(残念ながら)ほとんどありません。
一方、支援を要する事業者向けに「保護」や「純粋な支援」を目的として行政が支給する無償性の高い助成金や補助金は、事業の運営と不可分一体の存在として、もはや助成金等業務の領域ではなく、通常の申請代行業務に属するものとして対応すべき案件といえます。
月山事務所の助成金・補助金業務
私たちは依頼者様の事業の運営についての幅広いお悩みを解決する「相談顧問」の立場であることに重きを置いております。
助成金や補助金等の申請業務も行っておりますが、申請代行をするのみではなく、助成金等に関するご相談についてアイデアを出し、共に考え、共に最適な方法を見つける総合的な「相談顧問」として責任あるサービスを担いたいと考えております。
助成金・補助金の受給を目指すにあたっては、その対象となる事業者の要件として、一般事業主行動計画の公表や、「えるぼし」「くるみん」の取得、事業継続力強化計画、健康経営優良法人などの認定が義務付けられることや、強く推奨されることがあります。
また、受給終了後も事業場の就業規則の提出や、待遇を改善したことを証明するために継続的な賃金台帳の提出が求められることがあります。
当事務所は社労士事務所・行政書士事務所として、このような助成金・補助金の申請に付随する多くの手続きや準備について広範にサポートすることが可能です。
申請業務は、依頼者様が助成金のメリット、デメリットを完全に納得し、助成金等の申請をご希望の場合に行うものとします。
助成金等の受給に至らなかった場合でも料金をいただく代わりに、支給された助成金等について成功報酬などの料金が発生することはございません。
相談業務と申請業務の双方を担う立場であるからこそ、このような関与の方法が依頼者様の利益を実現するうえで最適な形であると考えております。
助成金・補助金政策から身を守るために
恩恵として用意されているはずの公的支援制度が、時として恩恵を受けることができる者とできない者の格差を生み、功を急いで不利益を被る事態をもたらし、最悪の場合、自由競争を阻害する災いにもなります。
粗製乱造される助成金・補助金などない方がはるかに社会のためになるだろうと、制度に不満を感じている方も多いかもしれません。
昨今の八方ふさがりの社会的課題について向けられる世論の目は立法府よりも行政府により強く向けられる傾向があり、必然的に行政に対して各種施策を無暗に強いる結果をもたらしています。そしてこの潮流は今後も変わることはないでしょう。
私たちに必要なことは、薬にも毒にもなる公的支援制度からいかにして「身を守る」かにあります。
受給すべき時は確実に受給することで身を守り、受給すべきではない時は距離を置くことで身を守り、行政の過剰な介入によって市場が機能を失わんとするときは手を引くことで身を守る。もはや助成金・補助金に限られませんが、巨人たる存在である行政の施策が私たちに牙をむく危険性に常に備え、行政の風を読むべき必要性が(残念ながら)求められる時代です。